布を染めるのに色々布用の絵の具や染料があってどれを選べばいいのか分からない人も多いと思います。
桂屋ファイングッズ(みやこ染め)さんの所に行って直接色々教えていただきました!!
それと過去に使った布用絵の具についても書いています。
選択肢を選ぶとその柄に適した染め具が分かるよ
どんな風に染めたいですか?
1. 手書きで絵を描きたい
素材は?
綿・麻 →1-1
ポリエステル →1-2
絹・ウール →1-3
合皮 →1-4
1-1 綿・麻
・ペン
セタカラー 乾くのが早い ポリエステルにも一応使える
布描き絵の具 普通の絵の具感覚で使える。
布用クレヨン 水など使わないので手軽
布描きしましょ(ペン) 手軽に細い線が書ける。ポリはにじむ
ファブリックマーカー 手軽に細い線が書ける。ポリはにじむ
・ふで
反応染料リアクト(旧ミーリングカラー) 常温で染める
コールダイホット 85度以上で染める
コールダイオール 30度以上で染める ポリエステルは対応外
ポリエステルダイ 綿麻ポリエステルが染まる
アクリル絵の具 手に入りやすい。塗ったところが固くなる
絹
合皮
油性ペンはインク内の溶剤が揮発することで乾きます。
そのため生地自体が持つ揮発性が低い溶剤のせいでいつまでも油性ペンは乾かないのだそうです。
そして水性タイプは表面にのるだけでこするだけですぐに落ちてしまいます。
なので、合皮に関してはアルコール系と書かれたペンを選ぶといいかもしれません
2. グラデーションに染めたい
素材は?
綿・麻 →2-1
ポリエステル →2-2
絹・ウール →2-3
合皮 →2-4
2-1 綿・麻
・反応染料リアクト(旧ミーリングカラー) 常温で染める
・コールダイホット 85度以上で染める
・コールダイオール 30度以上で染める
促進剤:塩(色の染まりを良くする為のもの)
塩は溶け残りが出ない程度に飽和状態になるまで入れるのが染まりが良くなるそうです。
※色止め:ミカノール
2-2 ポリエステル
2-3絹・ウール
・酸性みやこ
・コールダイホット
・コールダイオール
+促進剤:酢(色の染まりを良くする為のもの)
2-4 合皮
3. 白く抜きたい
ろうけつ染めという方法で柄を入れます
白い生地の白く残したいところに溶かしたロウを塗って染料がしみこまないようにして、布全体を染める方法です。
ロウがお湯で溶けてしまうのでお湯を使う染料は使えません。
ポリエステルは熱湯で染めるので、白抜きは出来ません
4. 同じ柄を複数入れたい
型抜き捺染(ステンシル)という方法で柄を入れます。
4-1 綿・麻
・アクリル絵の具 ちょっと固くなる
・セタカラー アクリル絵の具より固くならない
ポリエステルサテンは色落ちすることも 金・銀色がある
・反応染料リアクト(旧ミーリングカラー) + にじみ防止剤
・アリテックス布染めスプレー
4-2 ポリエステル
5. 布の色を違う色にしたい
素材は?
綿・麻 →5-1
ポリエステル →5-2
絹・ウール →5-3
ポリウレタン →5-4
5-1 綿
1 スレン染料
2 反応染料リアクト(旧ミーリングカラー)
3 コールダイホット
4 コールダイオール
の順で染まりやすいそうです
促進剤:塩(色の染まりを良くする為のもの)
塩は溶け残りが出ない程度に飽和状態になるまで入れるのが染まりが良くなるそうです。
5-2 ポリエステル
ポリエステルダイ
コールダイホット
促進剤:濃色促進剤(色の染まりを良くする為のもの )
ポリエステルは促進剤を入れないと染まりが悪いです。
5-3 絹・ナイロン・ウール
酸性みやこ
コールダイホット
コールダイオール
促進剤:酢(色の染まりを良くする為のもの)
5-4ポリウレタン
コールダイホット
促進剤:酢(色の染まりを良くする為のもの)
染料について
スレン染料
空気に触れて化学変化して染まるので、溶かした直後の溶液と、染めて乾燥させた後の色が違います。
そのため、混色して違う色を作るときは、溶液で判断がつかないので色を作るのは初心者にはちょっと難しい。
スレン染料は化学変化で色づくので、促進剤は脱色剤を使うと染めが進みます。
スレン染料というものを使って染めました
空気に反応して色が変わるため液色と取り出した直後の色が全然違います
お湯に入れたワカメのように色が変わって行くよ pic.twitter.com/yxWjoqKI6r— 洋裁工房のうさこ (@yousaikoubou) 2018年8月24日
反応染料リアクト(旧ミーリングカラー)
熱を加えて煮なくて良いので染めるのは簡単。
他の染料よりは光・洗濯・摩擦に強くて、染め方が簡単。
定着剤を入れないと染まらない。
定着剤を入れて1時間で色が出なくなるので、ステンシルなど時間をかけて色を入れていく場合は、染料と助剤を別の容器に分けて溶いておいて、使う分混ぜ合わせて使うといいと思います。
酸性みやこ
お湯(85℃以上)できれいに染まる絹・ウール・ナイロン(動物繊維)専用の染料
コールダイホット
綿・麻・レーヨンから絹・ウール・ナイロンやポリエステル・ポリエステル
混紡品までお湯(85℃以上)できれいに染まる布用ECO染料
+染まりを良くするための促進剤として、綿麻は塩、ウール、絹など動物性は酢、化繊は濃色促進剤を入れます。
塩は溶け残りが出ない程度に飽和状態になるまで入れるのがポイント。
染めたい布の重さの40倍の溶液を作って染めてください。
※植物繊維の色止めには別売ミカノールをあわせて使用する。
コールダイオール
綿・麻・レーヨン(キュプラ)・絹・ウール・ナイロン・ポリウレタンが(30℃ 以上)でも染まる布・竹用染料。
火にかけなくて良いので染めが楽。
+染まりを良くするための促進剤として、綿麻は塩、ウール、絹など動物性は酢、化繊は濃色促進剤を入れます。
塩は溶け残りが出ない程度に飽和状態になるまで入れるのがポイント。
染めたい布の重さの30倍の溶液を作って染めてください。
※植物繊維の色止めには別売ミカノールをあわせて使用する。
ポリエステルダイ
ポリエステル専用の染料
染料を入れて90度で30分煮て染めます。
ポリエステルは染まりが悪いので染まりを良くするため濃色促進剤を使うと良いです。
染めたい布の重さの40倍の溶液を作って染めてください。
ステンシルにも使える。
サテンでもザブザブ洗っても落ちない!!
濃色促進剤
コレを入れると染まりにくいポリエステルの染まりが良くなります。
ミカノール
色止め剤。
コールダイオール・コールダイホット・直接みやこ染®ECOで綿・麻・レーヨンを染色をした後に水で薄めて使用する。
アリテックス 布染めスプレー
従来品の布用スプレーよりは固くならないらしいですが、染料を上に塗布する性質上若干固くなる。
柔らかいポリエステルサテンがタフタ(傘やレインコートの生地)くらいの張りになる
桂屋ファイングッズさんのsomenova
で布染め用のスプレーを見せてもらいました
粒子が細かいので布用のスプレーの中では固さが低いのだそうです
実際に触ったのですが
ゴワゴワではなく柔らかいサテンがタフタ(傘の生地)位の張りになった感じでした pic.twitter.com/ME5zisAGft— 洋裁工房のうさこ (@yousaikoubou) 2018年9月3日
セタカラー
ステンシル用の絵の具
一般的なアクリル絵の具ほど固くならず発色がいい。
水などで溶かずにそのまま皿などに出して使える。
サテンに関しては相性が悪い気がします。
アクリル絵の具
耐水性の絵の具
百円均一でも手に入るので手に入れやすい。
ゴワゴワする。
SOMENOVA
みやこ染めで有名な桂屋ファイングッズさんは東京に染め用のレンタルスペースを用意してくださっています。
自宅で染めるのが大変な大量の生地など、大きい鍋も借りれるので一日こもって染めることが出来ます。
よくディズニーハロウィンにむけてドレスの生地などを染めに来る方がいらっしゃるようですよ~